わたくしは森やのはらのこひびとと



蘆のあひだをがさがさ行けば




つつましく折られたみどりいろの通信はいつかぽけっとにはひっているし


はやしのくらいとこをあるいていると



三日月がたのくちびるのあとで


肱やずぼんがいっぱいになる






賢治「一本木野」