長年使った珈琲サーバーが割れて同じものがないかとお客がきた


来年には焼くからとあきらめてもらっての帰りぎわ


これこちらで処分してくださいと置いていかれた


そばにあると辛いから
これがいちばん美味しいからと繰り返された




うっかり想像の物語を紡いでしまうと
未練たらたらの一滴一滴は水だし珈琲のごとく



不用であるものを引き受けたが
おいそれとは捨てられない